今日、A3700のダイオードをファストリカバリーに変えてみた。凄い変化だ。音楽の背景がとても静かになり、漆黒の闇で音が鳴っている感じ。今までは薄明かりの中で聞いていたのだということが分かった。真空管アンプの可能性は凄いと思った。(DACなどにショットキーバリアダイオードを使ってもみたが、正直あまり効果を感じなかった。電源ノイズより他のノイズが大きいから効果が少ないんでしょう。)
以前から真空管アンプの方がトランジスタアンプより音の表面が滑らかだと感じていて、それが何でなのか分からなかったんだけれども、やっと腑に落ちた。
真空管アンプは最終段がトランスで電圧比で約20分の1に落としている。(インピーダンス比で3.5KΩ:8Ω程度)と言うことはここでグランドノイズやら電源ノイズやらも20分の1に落とされる。
しかも、回路で消費する電流値がやはり20分の1程度だ。出力数十ワットのビーム管プッシュプルパワーアンプの最終段のプレート電流は40mA程度だ。4本合わせても200mA以下。ノイズは流れる電流に比例するから当然発生するノイズも低い。
と言うことは、真空管アンプのノイズはトランジスタアンプの動的ノイズの
20 x 20 分の1と言えるのではないか? ちょっと乱暴ではあるが、とにかく動的ノイズレベルが低いのは間違いないだろう。耳で聞いた印象ともピッタリ一致する。
真空管アンプの音に対するデメリット(真空管素子が広帯域ではない、トランスが必要など)もあるとは思うが、トランスは良いものを選べば問題ないし、それを補って余りある数字だと思う。
その昔、低インピーダンスのスピーカーを駆動する事が難しく、仕方なく考え出されたトランスによる結合方式が高音質オーディオにとって素晴らしいプレゼントになっていたとは。


- 2013/10/07(月) 00:29:16|
- 真空管アンプ
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Masa Yossyさん
こんばんは。
ありがとうございます。
私は世間からずれた人間なので、普通のファストリカバリーです。SiCダイオードというのが有るんですね。知りませんでした。

- 2013/10/08(火) 23:34:00 |
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- cocoパパ #-
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こんにちわ。
まさに真空管アンプの音が良いと言われている理由を明確に表していますね。
設計された頃の古い素子を使って作られたアンプを、昨今の高性能な素子を使うことで、音が良くなることは納得です。
ちなみに、ファストリカバリーダイオードとは、SiC (シリコンカーバイド)ダイオードのこと言っています? SiCダイオードは、最近各所で絶賛されています。値段が張るのでちょっと躊躇していまいますが、噂通り素晴らしいです。私はDACに使って確実に向上しました。ご参考まで、、、
- 2013/10/08(火) 21:37:56 |
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- Masa Yossy #-
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トランスはスピーカーからの逆起電力の吸収にも役立っていると思うんですよね。
- 2013/10/07(月) 20:56:14 |
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- Cocoパパ #-
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なるほど!
トランスの利点の一つ納得です。
あと電源のチョークも静けさに寄与しているのではないでしょうか。
- 2013/10/07(月) 11:17:11 |
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- 正昭 #-
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