音楽ソースの録音技術にも色々な個性がある。レベルの低いオーディオ機器で聞くと途端にうるさくなる音楽ソースもあれば、それなりに聞けてしまう音楽ソースもある。
前者の代表が、古いソースで言えばアールクルーの "Wishful Thinking" 、新しいソースで言えばGraceMahyaでしょう。後者の代表は Shelby Lynne や Jachinthaでしょう。後者のソースは米国の最高技術の録音だと思う。レベルの低いオーディオ機器でもそこそこ再生できるようにコンプレッサーなどをうまく使い、ホールトーンのバランスをよくして耳に心地よいDレンジと空間再現を実現している。
良いオーディオ機器で聞くなら前者でも良い音で聞こえると思うが、一般的には後者の方が耳障りが良い。
どっちが良いとは言いがたいが、商売として考えると後者の方が良く出来ていると言えると思う。ハリウッド映画にもいえると思うが、米国のこういった広く多くの人に楽しんでもらおうという発想は素晴らしいことだと私は思う。日本人がなかなかまねの出来ない部分だと思う。
一方、音楽を聞く人の側にも聴き方に個性があるようだ。ジャズ喫茶によくあるドンシャリ型だが歯切れの良いホーン型の音が好きな人、六半スピーカーなどで聞くきれいでフォーカスの良い音が好きな人、私はというと”High Fidelity”派で、広帯域で且つきれいな音が聞きたい。
それによって聞きたいソースも変わってくるよね。
LM3886のヘッドフォンアンプにしてから、音楽が全く違って聞こえるので、古いソースでも買いなおしたかのように本当に楽しめる。前者のソースでも後者のソースでもどちらも素晴らしく楽しめる。
オーディオってちょっと変わった時はどっちが良い音か迷うけど、凄く良くなったときは心がすぐにどっちが良いかすぐに教えてくれる。何度も聞きたくなるほうが音が良いのだ。
音の細部が聞こえるアンプは音楽全体がうるさく感じてしまって聞きたくなくなる場合が多いが、LM3886は違う。細部も聞けるし音楽全体としても心地よく聞ける。LM3886は本当に素晴らしい!
- 2011/07/31(日) 23:34:36|
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前にも書いたけど、良いD/Aコンバーターだと音楽ソースのサンプリングが44.1KHzでも十分良い音がする。192KHzと比べて有意差は感じない。悪いD/Aコンバーターだと192KHzの方が良く聞こえる。逆に言うと、192KHzで録音したからって必ず音が良くなるわけではない。正直私は音の良いハイレゾソースをほとんど聞いたことが無い。録音技術が伴ってないからだ。サンプリング周波数より録音技術や再生システムの差の方がはるかに大きい。安直に192KHzの方が音が良いなんていうと、”私のD/Aコンバーターは質が悪いですよ"といっているような物だ。。。
同じようにヘッドフォンアンプも本当に良い音の物で聞かないと本当の音はわからない。LM3886で聞くヘッドフォンの音は今まで聞いたアンプのどれよりも良くなった。スピーカーの駆動となると別だろうが、ヘッドフォンに関して言えば、いままで最高だと思っていたSRP-P500やB-2301Lも全くかなわない。
今日、音楽を聞いていて驚いた。ビートルズの "Let It Be" の "GetBack" は、4人が適当に音を出しているところから突然曲が始まるのでどうやって音を合わせているのか不思議に思っていた。だが、今日初めてわかったのだが、バックで空間全体に広がるようなかすかな声で ”ワン、ツー、スリー、フォー”と言う声が入っていた。多分ポールかリンゴの声ではなかろうか? LM3886のアンプで聞いて初めて判った。(気がついてから他のアンプでも聞こえるようになったが) 他にも Shelby Linn のギタリストが間違って弦をはじく音、Jachintaが口を動かす音、LA Fourのフルート奏者が待っている時に口を動かす音などなど色々聞こえにくい音が聞こえるようになる。
音のフォーカスの良さでこんなに聞こえ方が違うとは思わなかった。一度良い音を聞いてしまうと元には戻れない。。。LM3886は間違いなくすばらしい素材だ。それをどこまで生かしきれるか、アナログ回路の使いこなしを極めるべきだなと思っている。だからLM3886アンプの改造にこだわっている。
音がきれいで、空間表現も良く、ダイナミックレンジも良く、音のフォーカスが良いアンプと言うのは本当にめったに無い。。。
- 2011/07/30(土) 01:54:29|
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シールド線をベルデンに変えてきれいに整えた。スピーカーコードともなるべく離した。
トランスのノイズが乗りやすく、シールド線の微妙な位置関係でノイズが乗るね。位置を微調整。
だから変な2芯シールド線が使ってあったんだね。理由はわかった。
ベルデンに変更して、音もよりきれいになった気がする。奥行き感、臨場感、音のきれいさ、音のフォーカスの良さは抜群。だがやはり低音の重みが足りない感じ。音の重心が少し中音にある感じ。もう少し重心が下がったほうがよいなー。それ以外は言う事無し。。。
やはりコンデンサーアレーかな。ファストリカバリーダイオードも買ってあるから試してみたいねー。
- 2011/07/29(金) 22:46:51|
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パスコンを選んで、音を調整した。
LM3886の端子につけたパスコンのうち、積層セラミックの0.1μFを取り去ると音がちょうど良いバランスになった。(少しおとなし目ではある) 積層セラミックをチップの端子に直結すると強すぎるようですね。OPアンプの時もそうだった。癖の無いセラミックを選ぶ必要があるようだ。
パスコンの使いこなしって、スピーカーに似ているね。
ツイーター チップのところにつけるセラミック(0.1μF)の特性
スコーカー チップのところにつける電解コン(100μF)の特性
ウーハー 電源回路の大きな電解コン(10000μF)の特性
サブウーハー 電源トランスの大きさやコンデンサーアレーによる電源の余裕度
これで各帯域の音作りが出来るから、面白いもんだ。
- 2011/07/20(水) 23:53:32|
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エージングが進んだせいか、シールド線をなくしたせいか、セラミックコンデンサの特性か、音が少し元気になりすぎたみたいだ。 少し調整しなくては。。。
- 2011/07/17(日) 23:04:57|
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シールド線とボリュームを取り去り、線の配置を改善した。妥協の産物だがまあまあか。
これでひととうり改善し終えた感じかな。 ほとんどが不要な物を取り去る作業。
音は素晴らしい。フォーカスが良く、きれいで、解像度が高く、ダイナミック、且つ空間再現が良い音は初めて聞いた。 この音がこれからの基準だ。 この音をどうやってスピーカーで鳴らすか? ハードルがむちゃくちゃ高くなった。
- 2011/07/17(日) 00:46:51|
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整流ダイオードをショットキーに交換したが、それだけでは音は今一歩だった。きれいな音にはなったが、大人しくなりすぎてしまった。アタック音も出ないし、全体にもやがかかったような音。
LM3886の近辺に電解コンデンサーが無いことが原因と思われるので、理想的になるように、写真のようにFineGoldの100μとセラミック0.1μをLM3886の端子に直結した。
一晩エージングしてから聞いてみたが、バッチリだ。高音がきれいになって、アタックもバッチリ、低音の歯切れも良くなった。これでほぼ文句ない状態。惚れ惚れするようなきれいな音がする。ボーカルや楽器の音のディテールが聞き取れるし、ヘッドホンをかけているのを忘れるくらいの空間表現。LM3886も素晴らしいし、FineGoldは好みだなー。
最後の一歩の改善があるとすれば低音の底力かなー。。。
- 2011/07/16(土) 12:24:23|
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本格的電源改造を開始。まずは整流ダイオードをショットキーバリアダイオードに変更。秋月で200円。上のダイオードが基板からはずした物。KBU808と書いてある。ピン配置が同じ(ピッチは違うけど)なので交換も簡単だった。
一晩エージングしてから試聴します。
基板をよく調べると、電源には10000μFのケミコンとチップの近くに0.1μFしか付いていない事が判明。100μF程度のケミコンや積層セラミックも入れたくなるなー。。。シールド線もなんだか変だ。。。調べれば調べるほど気になる点が出てくる。
コンデンサーアレーを作れるようにケミコンもたくさん買ってきた。さーてどうするかなー。
- 2011/07/15(金) 00:29:54|
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LM3886のアンプを他のアンプと聞き比べてみたけれど、ヘッドホンで聞く限りトップであることがわかった。中音のきれいさ、フォーカスのよさが素晴らしく、ホールトーンの再現、奥行き感も素晴らしい。このアンプを聞いてそれ以外のアンプの個性(メリット、デメリット)が良くわかるようになった。非常にニュートラルできれいな音だ。電源回路をいじくれば、もう少し低音のしまりと高音のきれいさが出せると思う。そうすればクラシックの低音やバイオリンの音などもいけるようになるだろう。
本当に驚きだ。今まで小さなヘッドホンアンプで聞く音は中音がきれいでも奥行き感やホールトーンの再現が全くだめであったが、このアンプは音がきれいでかつ素晴らしい空間再現性がある。今まで聞こえなかった背景の音もよく聞こえる。
本当に驚きだ。しかも14800円。。。(改造は要るけどね。)
スピーカーはまだ鳴らしていないけど、それには一工夫いるように思う。現状ではスピーカー端子にシリーズに抵抗が入っているからスピーカーの駆動は難しいと思われる。
ご注意: 我が家ではD/Aコンバーターのバッファーの後にライントランスが入っているので、DCが漏れる事はありません。私が今回入れた改造はアンプを完全DC化していてDC漏れに関する注意は最低限にしています。皆さんが実験される時はくれぐれもDC漏れにご注意ください。
- 2011/07/12(火) 21:35:34|
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inoueさん: 答えありがとうございます。ピンポーンです。
アンプの出力信号と入力信号を縛り付けちゃいけないですよね。しかも入力のシールド線が2芯のシールドで左右の信号を流しています。クロストークの元ですよね。こういうところが中国製かなって思っちゃいますが、14000円なら仕方ないですかね。チューニング(いろいろ削れば)すればよくなりますからね。。。
ところで、その後もエージングを続けていますが、どんどん良くなる感じです。低音の不満はほぼ解消された感じです。高音がほんの少し荒いかなーと思うくらいで、ボーカルやギター、サックスなど惚れ惚れするような音です。私のアンプに対する世界観が変わってしまいました。シンプルで良いアンプってあるんですね。びっくりです。大出力アンプの音が荒く感じるようになりました。
LM3886に強力な電源をつけて3WAYマルチアンプを作りたいなー。。。
その前にD/Aコンバーターの改良かな。。。
Fidelix さんのLM3886の記事上記の記事が大変参考になります。
- 2011/07/10(日) 02:22:18|
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LM3886のこのアンプ。部品はまあまあだが色々調べると不思議なところが結構ある。
回路のことは前に書いたが、もうひとつ気づいたことがあった。
さて、問題です。私が気になったのはどこでしょう?
- 2011/07/08(金) 22:20:35|
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LM3886の素性のよさにびっくりしている。一晩鳴らしっぱなしにしてエージングしておいたら音が凄く良くなった。
少し霞がかかったような音だったのが全く無くなり、臨場感、空間再現、音のきれいさ(にじみの無さ、フォーカスの良さ)、アタックの良さ、全帯域での音量感のバランスのよさ、などどれも素晴らしく我が家のヘッドホンアンプの中でもトップクラスになった。特に中音のきれいさと音のフォーカスの良さ、空間再現性が素晴らしい。ボーカルやギターソロが素晴らしくきれいな音だ。大パワーアンプのように多数のトランジスターをパラっていないから音が滲まないんでしょう。
ヘッドホンで色々聞いているが、The L.A.FOUR の Laurindo Almeidaのギターソロにびっくり。今まで聞いたことの無いきれいな音だ。
あえて難点を探すと、恐らくこれは電源を改善すると良くなると思うが、低音のアタック音に対し駆動力の弱さを感じるのと、高音(弦の音など)に少しだけザラツキ感があることかな。
おそらく電源回路を見直し、ショットキーバリアダイオードを使ったり、コンデンサーアレーとパスコンを工夫してやれば、簡単に改善すると思う。回路がシンプルだから投入する物量に比例して素直に良くなってくれるはずだ。
LM3886を、いずれはD/Aコンバーターのバッファ部にも使いたい。きっと今までの不満を払拭してくれるに違いない。今後の色々な回路への応用と改善が楽しみなコンポーネントだ。良い物を見つけた。。。
- 2011/07/06(水) 21:01:59|
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LM3886のアンプがきた。外観的には大変よく出来ている。部品もあまり変な物はない。トロイダルトランスも十分な大きさで高級感がある。値段を考えたらすごいと言える。
回路図が無かったので、基板から追うとこうなっていた。

保護回路まで入っている豪華な構成。スピーカーケーブルも立派な太い物が使われていて外観的には素晴らしい。
だが回路を見るとどうもぴんと来ない。そもそもなんでNE5532のOPアンプが入っているのだろう。しかも100Kなんて帰還抵抗を使ったら音が暴れるに決まっている。ゲインも高すぎる。
音を聞いてみると完全に100Kを使ったNE5532の音。でも価格を考えたらいいほうかな。まあまあの元気ハツラツ系。
たまらず改良に取り掛かる。
NE5532を取り去り(ソケットになっている)、不要なコンデンサーを全部バイパス。(★のところをショート)220PFも取り去った。(無信号時のDCオフセット電圧は数ミリボルトで合格。)
これで上品できれいな音に変身。(ヘッドホンで聞いている)
かなりハイレベルな音になった。KRELLのKSA-80Bに近いやわらかめできれいな音。空間表現やボーカルのきれいさなどはもしかしたら一番かもしれない。アタック音などはB-2301Lなどにかなわない。
だが、慣れてくると少しおとなしすぎるなー。。。少し靄がかかったようなおとなしめの音。だが、±15VのOPアンプのような音がにじむような感じは無い。 LM3886はおとなしいと言う評判も在るようだから、こんなもんなのかな?
この状態で、しばらくエージングしてみよう。電源をいじくればもう少し良くなりそうな気がする。
- 2011/07/05(火) 20:41:27|
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ここのところ次に何をやるか見えなくて困っていたが、やっと見えた。
パワーアンプで評判の良い、LM3886というICが在る。高級なパワーアンプの内部回路に使われていて、いろいろな方が記事を書いている優れもの。4Ωで68Wも出せるパワーアンプで定評があるが、その回路はパワーOPアンプだ。普通のOPアンプと同じく差動入力を持つから、ゲイン調節も出来るし、反転増幅、非反転増幅も自由に構成できる。私はパワーアンプとしても興味があるが、むしろヘッドホンアンプや、D/Aコンバーターのバッファーにこれを使ってみたいと思う。D/Aコンバーターのバッファーアンプとして余裕でライントランスを駆動してくれそうに思うし、ヘッドホンアンプに使えばゲインを落としてS/N良く直結に出来るね。
下図のパワーアンプをとりあえず手配した。(オークションで14800円)明日には来るだろう。楽しみだ。まずはヘッドホンアンプとして聞いてみて、電源回路やゲインなどいじくった後に、D/Aコンバーターのバッファーに使ってみたい。私は±15Vの電圧増幅のOPアンプに限界を感じている。(すぐ発振したり、音が不安定な感じがする)LM3886がそれを打破してくれるような気がする。(このOPアンプは±42Vもかけられるしスピーカーも駆動できるのだから、すごい!)
LM3886の仕様
チップが大きいので半田付けもしやすそうだ。1個780円で売っている。まあまあ安い。楽しみになってきた。

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LM3886はユニティーゲインが無理そうだから、上図はむりかな。。。? I/Vは抵抗でも良いように思いますが。。。まあ、色々やってみましょう!
- 2011/07/04(月) 21:58:51|
- システム解説
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デジタルから始まり、アナログにはまり、スピーカーや電源にまで色々改良を加えてきたけど、やっぱり最後に行き着くのはアナログ部分だなーとつくずく思っている。パワーアンプに始まりパワーアンプに終わるみたいな感じでしょうか?変な話かもしれませんが、私はいつもオーディオマニアの耳にならない様に気をつけています。オーディオマニアの耳は、差しさわりの無い帯域の広い音を良しとしてしまうようになっていってしまうから。
今興味があるのは、D/Aコンバーターのバッファ回路とパワーアンプ。これの出来が全体を左右している。いま少しアナログを極めてみたいと思って、オークションでいろいろ物色している。ヘッドホンアンプも物色中。
OPアンプは再度OPA2604に戻した。こちらの方が帯域は狭い感じだが音がしっかりしていて安定な感じがする。非NFBバッファ無しでもかなりいけるのはその安定さのお陰でしょう。LME49860は帯域は広い感じだが、音がかすれたような感じがあり、不安定な感じがする。わずかな差ではあるが。。。OPアンプにもっと良い物は無いのかなー? 安定感があり、広帯域感とダイナミックさを備える物。。。誰か知りませんか?
- 2011/07/03(日) 22:48:45|
- アンプ
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