驚くほどEL34PPアンプの音が良くなった。MC368-BSEといい勝負になった。むしろ良い面も幾つかある。
さて、目標がクリアできたので次に何をすべきか考えている。
案としては、
(1)6SN7の最高の物を探す(MC368-BSEをより改善するために)
(2)EL34PPアンプをDAC直結完全バランスパワーアンプに改造する
(3)真空管アンプの電源にコンデンサーアレーを導入する
(4)DAC直結完全バランス中間トランス駆動(結合コンデンサレス)真空管パワーアンプの製作に取り掛かる
(2)も面白そうだ
(3)と(4)は同時にやるのが良さそうだ。少しお金がかかるのが難点だな。まずは回路図作成からじっくりやろう。
まずは(1)かな。
6SN7は真空管としては最高度の評価をもらっているドライバー管で、今だに新製品が発売される珍しい電圧増幅管だ。中国製真空管アンプが欧米やアジアの富裕層にバカ売れしているらしいので、それの置き換え用の高級品なんでしょうね。FullMusic以外に興味のある球が幾つかある。
Shuguang Treasure CV181Z (欧米でも評価が凄く高い。まさに”珍品”だが。。。)
PSVANE CV181-T MKⅡ
旧ソ連 MELZプラント製6N8 (軍用機器からはずして売っているようだ。先日購入して音は良かったのだが、ノイズが出るので返品した。ノイズの無いものが欲しい。この写真のプレートにホールのあるものは凄く値が高い。)
RCA製5692 (USA製では最高の評価の物だ。軍用で赤ベース、5ポール、3マイカのものが良いとの事。)

どれもペアで1万円以上するので、一番良いものを一発で買いたいなー。
- 2014/01/31(金) 20:44:35|
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ドライバ管の6CG7をRCA製に変更した。
実に良い感じだ。GE製は少し高域が強すぎる感じだったがそれが改善された。やはり評判の良いRCA製の真空管は良いようだ。
これでMC368-BSEの音に勝るとも劣らない感じになった。EL34PPの方が透明感では勝っていて、音場の迫力では若干負けている感じ。あと一歩繊細な感じになれば言うこと無しだが。やっとリファレンスも含めて3台が同じ土俵に上がれたのは間違いない。
こうやってリファレンスと比較しながら2台で切磋琢磨していくとどんどん音が良くなるし、改善が実感されるので実に面白い。良いやり方だと思う。

- 2014/01/30(木) 23:02:48|
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電源のあちこちににフィルムコンをかませた。それにより少し気になっていた高域の強さ(荒さ)が大分緩和されて、より聞きやすいキレイな音になった。(図に入っているB1のフィルムコンは無い方が良かった。入れたコンデンサーの質が悪かったのかもしれない。今度じっくり電源の改善にトライしたい。真空管アンプにコンデンサーアレーも試してみたいな。)
EL34PPアンプの音が、いよいよMC368-BSEに近づいた。中音が実にリアルになり、空間表現もかなり良くなった。フォーカスの良い音だ。もう少し味わい深さが欲しい感じだが。あと一歩だ。しばらくエージングをして様子を見よう。
あとは真空管選択の問題の様に思われる。
今までに判った真空管アンプ改善のノウハウは、(トランスに良いものを選ぶのは当然として)
(1)初段、ドライバー段の電流を出来る限り大きくし、ロードラインがなるべく特性曲線と直行するように
(2)真空管の間の配線は、配線長がなるべく短くなるように部品配置をし、直配線を心がける
(3)結合コンデンサーには良いものを
(4)初段、ドライバー段の電源にはケミコンだけでなくフィルムコンをパラに繋ぐ
(5)NFB量は実際に音を聞いて良いバランスになる値を選ぶ。(理屈は無視)
(6)真空管の違いで音が凄く変わる。良いものを探すべし。(ロシア製は良い物が多い)

- 2014/01/29(水) 20:59:33|
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結合コンデンサを0.1から0.22μFに変えて低域が良くなったように思われ、ハム音はアースのとり方を変えて完全に無くなったので、最後の砦のNFBを調整してみた。
いやー驚いた。わずかなNFBの差で随分音が変化する。帰還抵抗を ∞ ~15K~5.6Kの間で変化させてみたが、暴れた音から穏やかな音までうんと変わるのに驚いた。音量差はあまり感じないので、NFB量は恐らく数dB程度だと思うが、それでこんなに音が変わるんだね。今のところ、6.8~8.2Kがバランスが良いようだ。

これにより音の重心が下がって、中低域の充実した音になってきた。MC368-BSEにかなり近づいた。もう少しだ。あとは真空管の個性かなー?6CG7が6SN7と較べるとあまりバリエーションが無いのが困る。評判の良いドライバー管が欲しい。パワー管も6L6が音が良いらしいから試して見たいなー。
判ったこと
真空管アンプではNFBの量により、下記の様な調整がいとも簡単
真空管アンプの場合、NFB量の調整は歪などの特性改善というよりは、応答特性の調整なのだと思う。
- 2014/01/28(火) 23:41:50|
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とりあえず改造は終了。無事動作した。これで回路が追いやすくなって部品交換も簡単だ。
まだハム音もあるし配線も美しくないが、だんだんにキレイにして行こう。
音は前よりは良いと思うが、今時点ではMC368-BSEにはまったく及ばない。音の重心をもっと下げないとダメだ。 結合コンデンサの容量不足か? 6CG7の問題か? AC点火の方が音が良いという話も在るので、試してみよう。 まあ、だんだんに。。。
このアンプの音をMC368-BSE並に出来ないようでは、オリジナルアンプを設計しても意味が無いと思っているので、じっくり楽しんでやろう。


- 2014/01/27(月) 00:50:49|
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半分改造が済んだ。配線長はかなり短くなってすっきりした。
まあまあの出来かな。


- 2014/01/26(日) 00:28:49|
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今日、じっくりスピーカーで聴いてみたけど、MELZ PLANT製の6N8は最高だ。音が綺麗で繊細な上に広がりや透明感が素晴らしい。FullMusicをさらに透明感、奥行き感のある音にした感じ。他の球も改めて聴いてみたけど、球の交換だけでこんなに良くなるとは驚きだ。
だが困った事にスクラッチノイズが出る。返品かなー?ebayを通じて販売店と連絡中。質の良い物を探そう。
ebay で購入した高名なMELZ PLANT製の6N8(6SN7)とVoskhod PLANT製の6N1(6DJ8)が来た。ちょうど2週間で到着。まあまあ早い。
6N8は1950年ころのものだそうなので若干汚れ感がありノイズもあるようだが、6N1の方はピンもピカピカで完全に新品だ。宇宙航空用の高信頼度管だそうな。
まだ少し聞いただけだけど、両方かなりいけてる感じだ。特に6N1は空気感、透明感が素晴らしい。AMPEREXが追い越されるとは思わなかった。このコンビで透明感のあるキレイな音になったように思う。びっくり。
旧ソ連製真空管はやはり素晴らしいようだ。質の良い新(NOS)品が欲しいね。ゆっくり聞き比べよう。

- 2014/01/25(土) 17:04:29|
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真空管アンプの回路には自信が付いたので、いよいよEL34PP アンプを直配線に改造することにした。
目的は配線を最短にして音質向上を目指す事。
まずはヒーターや電源周りをキレイにしている最中。元々の配線が太すぎて取り回しが美しくないので、ほどほどの太さの線に変え、さらに電流の流れないところは一番細い線に変えて見栄えも良くしよう。
回路図は見なくても信号の流れが頭に入っているので、ラクチンだ。


- 2014/01/23(木) 23:46:37|
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BRYSTON 4B-STの音は何度聞いてもドキッとする。凄くクールで繊細なのだ。今まで聞いたトランジスタアンプは中高域が粒だった感じがあって、それが我慢できなくて真空管アンプに走ったのだけれど、BRYSTON 4B-STにはその粒立ち感はまったく感じられない。むしろ、そのクールさにびっくりする。こんなトランジスタアンプはいままでまったく聞いたことが無かった。HAFLERは想定範囲内の音なのだけれど、それとはまったく異次元の音と言う感じがする。
今回たまたま縁があって手に入れることが出来たが、リファレンスとしては完璧だったと思う。ともすれば暴れがちな真空管アンプの音と完璧な好対照な音だったから。おかげでMC-368BSEを素晴らしい音に改造することが出来た。真空管アンプ同士で比較していたらとんでもない方向に行ってしまっていたに違いない。
リファレンスの重要さを思い知った。ありがたやありがたや。

- 2014/01/21(火) 23:12:08|
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久しぶりにEL34PPを鳴らして、MC368-BSE(改)と比較してみたが、あまりの違いに唖然とした。繊細さも無い、奥行き感も無い、中低音も弱い。良い所なし。回路的にはほとんど同じなので、最新の回路定数変更もしてみたがそれでもMC368-BSE(改)にははるかに及ばない。それだけMC368-BSE(改)が良くなったって事だからまあ嬉しかったけど、EL34PPをどうするか考えないと。。。外観は結構好きなんだけどこのままでは出番は無いな。
何か根本的に問題があるようだ。可能性があるとすれば、
(1)トランス (TANGO FW-100 だからそんなに悪いとは思えない。。。)
(2)出力管 (EL34だからそんなに悪いとは思えない)
(3)真空管の違い (初段はAMPEREXの6DJ8で同じだから違うとすればドライバ段の6CG7だけど。。。)
(4)直配線ではない (配線長が長い)
まずは(4)を疑うべきかなと思う。全部配線し直しかな。。。


- 2014/01/19(日) 23:43:23|
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ドライバ段の回路定数設計ノウハウを整理すると、
重要なのは、ドライバ段のプレート電流は、初段のプレート電圧とカソード抵抗の値で決まってしまうと言うこと。


(1)ムラード型は初段とドライバ段が直結なので、ドライバ段のグリッド入力は初段のプレート電圧になる。
今回は80V程度。
(2)ドライバ段の電圧配分をどうするかを考える。
電源電圧(314V)=
カソード電圧(≒初段のプレート電圧:80V位)+真空管のプレート電圧(百数十V)
+プレート抵抗の電圧(100V位)
が目安となる。(プレート電圧とプレート抵抗の電圧がほぼ同じ程度にするのが目安)
(3)カソード抵抗は、今回はプレート電流は最終的に9mA(ユニットあたり)にしたので、
カソード電圧(グリッド電圧+バイアス:およそ84V)÷ 0.009 x 2 ≒ 4.8KΩ
(4)プレート損失を計算する。電圧は百数十Vで電流は9mAだから、損失は約1Wなのでまったく問題ない。
(5)プレート抵抗は、プレート電流が決まっているので、
100V ÷ 0.009 ≒ 11KΩ
電圧は自動的にバランスするので、あまり細かい数字に拘る必要は無く、手持ちの抵抗値で作ればよい。
プレート抵抗の値を変えれば、プレート電流はそのままで、バイアス値とプレート電圧が変化する。
簡単にプレート電流や電圧、グリッドバイアスが変えられるので実に楽しい。音も大きく変わる。
- 2014/01/18(土) 21:56:03|
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家人が不在の時を見計らってスピーカーでじっくり音を聞き比べてみたが、やはり今回の改造の結果は素晴らしかった。
ギターやボーカルの色っぽい音、高音の繊細さなど今まで聞いたことの無いレベルだ。なぜこの改造がこんなにFullMusicを良くしたのか不思議でしょうがない。真空管の動作点はかなり微妙なんだね。
初めてBRYSTON 4B-STと同じ土俵に乗れた感じ。繊細さでほぼ同等レベルになったし、音の聞きやすさや楽しさでは上回っている。西の横綱、東の横綱って感じだ。


今度はEL34アンプに同等の改造をしてみよう。同じように良くなるかどうか。楽しみだ。
- 2014/01/17(金) 22:53:33|
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あれこれドライバ段の動作点を変えて音を聞いてみたが、かなり微妙に音が変わることが判った。
図の茶色のラインが最終的に音が良いと思ったライン。水色は、流れる電流値は変えずにバイアスが少し深く(2.51V)なるようにプレート抵抗を8KΩに変えたものだが、明らかに音がざらついた感じだった。
特性曲線とロードラインがなるべく直行するようにするのが良く、バイアスはあまり深くしない方が良いらしい。こんなに微妙な事で音が変わるとは驚いた。
FullMusicの真空管は特にこの差に敏感らしい。この定数だと中低域も充実しているし、中高域の透明度が高く楽器のディテールまで再現してくれる様になった。今まで聞いた真空管アンプの中で最高の音だ。他の6SN7はそれほどまでは変化しない。不思議だ。


- 2014/01/16(木) 23:18:20|
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ドライバ段の電流をもっと流して改善しようと思い、下記の回路定数に変えてみた。
今回、なぜかFullMusicの6SN7が抜群に音が良くなった。耳を疑うほど中低域が厚みのある滑らかな音に大変身。もともと中高域はハッキリクッキリ系だったので、非常に良い感じ。凄く不思議だ。
計測してみると、電流値的には良い感じなのだが、動作点を特性図上に書いてみると、ちょっとバイアスが浅すぎるね。
もうちょっと深いバイアス:-3~4V位にしたいな。それともこのバイアス値だから音が良いのか?
この回路の場合ロードラインはどうなるのだろうか?まだ色々な事が判らない。。。
一つはっきり判ったのは、真空管アンプは同じ真空管でも動作点とロードラインによって音が大きく変わると言うこと。


- 2014/01/15(水) 22:48:40|
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いろいろ本やWebで真空管アンプの基礎を学ぼうと思って調べてみたが、どうも知りたい基礎知識が得られないように感じている。真空管自体の増幅の原理と応用回路例は結構詳しく書いてあるが、肝心の回路の基礎原理がさらっと書いてあるので、”真空管アンプ回路設計の心”が判らない。
仕方ないので、自分で”真空管アンプ回路設計の心”を考えてみた。
例えば、真空管1個によるアンプにも下図のように3種類ある。
この3種のアンプは色々な所に形を変えて出てくる。ムラード型のドライブ段(位相反転段)もこの3つ目の回路の変形と言えると思う。

実際に、真空管パワーアンプを設計するとなると、増幅率と駆動インピーダンスなどの関係で3段になるのが一般的だと思うが、カソード接地型の増幅回路は1段目には使うが2段目には使われない。

その理由を考えるため、まずパワーアンプの増幅率配分を考えると、
初段:25倍 ドライブ段:5倍 出力段:3倍 合計:375倍
出力トランス: 1/25
NFB: 1/2
アンプトータル:7.5倍
位だと思う。10Wの出力を出すには、9Vくらいの出力電圧が必要だから、初段の入力は1.2V程度が必要で、ドライブ段の入力電圧は数十ボルトになる。
これを前提で考えると、いろいろ見えてくる。
カソード接地型の増幅回路はグリッド電圧が±数V位の範囲で使うアンプであって、それ以上(数十ボルト)の入力電圧をグリッドに加えることは出来ない。(もし加えるとグリッド電圧がプラスの領域に入っていまい、大変まずいことになる)

上図を見るとグリッドに数ボルト以上の電圧がかけられない理由は判る。
プッシュプル型のアンプはほとんどの場合、ドライブ段はムラード型かPK分割型になっているようだが、単に位相反転のためにそうなっていると説明されているが、実際はもう一つ重要な役割として耐入力の大きさが上げられるはずだ。
要するに増幅率が足りないからと言って、カソード接地型の増幅回路を2段繋いで使うことは出来ない。なぜなら2段目の入力も±数V位の耐入力しか持たないから。
そこで登場するのが、カソードフォロワー回路やPK分割回路だと思う。
カソードフォロワー回路の原理は簡単に言うと、
”大きな信号入力があるとそれに比例してプレート電流が増えるが、カソードに入った大きな抵抗により カソード電位が上昇(フォロー)し、ほど良いグリッド-カソード間電位に落ち着く”カソード電位がグリッド入力をフォローする回路と言えると思う。それにより大きなグリッド入力電圧があってもグリッド-カソード間電位は数ボルトに落ち着き、アンプが正常に動作する。カソードに100%の電流帰還をかけているとも言えると思う。
カソードフォロワー回路は残念ながら増幅能力は無いが、大きな入力(例えば±25Vとか)をグリッドに加えることが出来、かつ出力インピーダンスが低い。出力が真空管のみを通じて電源に繋がっているから、出力インピーダンスは低い(真空管の内部抵抗の数キロΩだろう)のでノイズにも強い。電流帰還もかかっているので安定度も良いし音が良いとも言えるのではないか。
そしてその二つの回路の中間的な回路が最後のPK分割回路で、
”カソードに比較的大きな抵抗が入っているので、カソード電位がグリッド電位をフォローする とともにプレート抵抗の電圧も変化するので、プレートに増幅された電圧が生じる。”増幅率も数倍はあるし、比較的大きな入力(たとえば10V以上)をグリッドに加えることが出来る。電流帰還もかかっているので安定度も良いし音が良いとも言えるのではないか。そのためドライバー段に使われるのだと思う。
こういったことを前提に、どうやったら真空管アンプの音が良くなるかを考えて行こう。
- 2014/01/14(火) 16:29:02|
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