スピーカー設計のいろいろな記事や設計サポートのソフトウェアを見てみたけど、38cmウーハーを活かすと言う観点で見ると、根本のところで方向性が違うように思えてならない。
バスレフにしてもバックロードホーンにしても、小口径のウーハーで不足する低音をいかに空気力学的に増幅するかと言う考えだと思う。それは小口径ウーハーで低音の音量を得るためには振幅を大きくするしか方法が無いが、それにも限界がありどうしても空気力学に頼らざるを得ないから。
しかし、38cmウーハーを使うなら話は違う。空気を動かす振動板の大きさは十分あり、空気の空振りも無いからむしろコーン紙の動きをいかに邪魔をせずに自由に動ける環境を提供するかを考えるべきなのだと思う。(コーン紙が大きいから負荷をかけると分割振動して実質的なコーン紙面積が減ると言うこともあると思う)

私は38cmウーハーは密閉型にしてもバスレフにしても音が窮屈なように感じる。実際やってみたら単なる空気抜きの穴を開けてやるだけが一番伸びやかでよかった。
岩崎さんの下記の記事にもD130を活かすには単なる平面バッフルに取り付けるのが良いと有る。
岩崎さん”オーディオ彷徨”スピーカー設計の理論の多くが単に周波数特性だけをワイドにすることだけを考えていて、”音を良くする" 事は考えていないように感じる。JBLのスタジオモニターも後期には低域の再生周波数特性を良くするために50gの重りをウーハーに取り付けている。それでは伸びやかな低音が出るはずが無い。
測定器で測る周波数特性は良いけれど、窮屈な音というのは厳然と存在する。しかしそれを改善する方法はどこにも書いていない。
”38cmウーハー” = ”十分な振動系面積を持ったウーハー”の設計をするのなら、根本的な設計ポリシーを変えないと本当にその特性を活かしたスピーカーは出来ないのではないかと思う。
コーン紙がなるべく楽に動ける環境を整えてあげて、もし低域が不足するなら振幅には余裕があるんだから電気的にイコライザーで補正してあげれば良いよね。無理に空気力学的な低域増幅をして、コーン紙に負荷をかけて分割振動させたり伸びやかさを無くす必要は無いと思う。
こういう考え方がD130の設計ポリシーなのかな。わかってきたような気がする。。。
- 2013/03/31(日) 21:49:35|
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