スピーカーの測定を実際してみると、±5dB位は単なる測定誤差範囲であり、細かい数字を語っても何も意味が無いことが良く判る。ましてや3WAYのスピーカーではどのスピーカーの正面にマイクを置くかで特性がまったく変わる。(スピーカー同士が干渉するからマイクの位置が少し変わるだけで測定値が大きく変わる)それをうまく平均化して測る方法を編み出したが、一般に言われるスピーカーの前1mにマイクを固定して測る方法なんてとても私には信じられない。。。シングルコーンなら良いが、3WAYならスコーカーの前1mなの?ツイーターの前1mなの?微妙に距離が違う場所で測ってまともなデータが取れるんかいな?ピークディップが凄く激しいギザギザの測定データになってしまうよね。。。どうも測定自体に胡散臭さを感じてしまう。。。
カットオフ周波数近辺で数デシベル落ちているかなんて、とても判ったものではない。では何を基準にフィルターの定数を決めればよいのか?私が思ったのは、2オクターブ先の周波数でー24dBになる値を見つけることだと思う。要するにフィルターがどういう定数か、フィルターの方式が何かなんて議論は不毛で、スピーカーを鳴らして測って2オクターブ先がー24dBになっているならそれが本当のー12dB/octのフィルターだって事。
下図のような特性なら、このスピーカーの平均出力レベルはー10dBだから、2オクターブ先でー35dB位になる定数を見つけることかと思う。この図のように、クロスオーバー800Hzで2オクターブ先は3KHzくらいだから、そこでー35dB位になるLCの値を探す。

また、ホーン型スピーカー用のパッシブネットワークの設計は少し特殊な事情が有る様に思う。ホーン型の場合、ホーン自体のカットオフ特性がハイパスフィルターになっていて、1インチドライバーだと800Hz以下は何もしなくても急激に(2段スロープで-40dB/octくらい)減衰している。極端に言うとネットワークは単に低周波からドライバーを守る機能さえあればよく、減衰効果は不要だ。そう考えるとこの定数が良いと思った。

とにかく、フィルター回路の数値を計算するのは単なる目安で、測定する以外に意味が無いことは明白だ。
- 2013/03/18(月) 01:20:50|
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