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Pure Digital Audio

デジタルオーディオ、ホーンスピーカー、真空管アンプによるピュアオーディオシステム

VoyageMPD と SDTRans384を鳴らしてみて判ったこと

ハードウェアプレーヤ構成

VoyageMPD と SDTRans384を鳴らしてみて、PCオーディオのデジタル部分(トランスポート)について判ったことを整理すると、

(1)PCオーディオの音はまだまだ理想には程遠い(改善の余地が多々ある)
(2)OS(Windows,Linux)とプロセッサ処理がいかに音を悪くしているか良く判った
(3)余計な仕事をしない単純なデジタル回路ほど素晴らしい音が出せる
(4)I2S接続はやっぱり音が素晴らしい(クロックとデータを1本の線で送るSPDIFは良くない)
(5)再生操作や音楽ファイルコピー、選択などはPCやiPhoneのGUIでやりたい(やっぱり便利だ)
(6)デジタル回路と言えどもエージングが必要(大体2日で良くなる様だ)
  (コンデンサーのエージングで電源特性が良くなり、それによりXTALの発振特性が変わるのでしょう)

と言うことで考えると、上図のようなPCに繋がるハードウェアトランスポートが欲しいね。

しかも、物理的にはいろいろなパーツを組み合わせられるモジュール式のユニットが欲しい。それが私の夢だ。


p.s.

世の中にビットパーフェクトと言う言葉があるが、いろいろな意味があるようだ。ソフトウェアで音楽ファイルをコピーしている間(たとえばCDから読み出してメモリー上にファイルとして展開した段階)にファイルが壊れていない事をビットパーフェクトとも言っているようだ。

一方、メモリーに展開されたデータをプロセッサが基板内のバスやUSB、I2Sなど経由してD/Aチップに転送した時にビットパーフェクトだったかどうかを調べた人はいない。(チップ内部でデータがどうなっているかは見れないし。。。クロックとデータの微妙なタイミングの問題もあるからそう簡単にビットパーフェクトかどうかなんて調べられないし定義もできない。そもそもデータが正しくてもクロックにジッターがあれば音は悪くなる。はて、この場合ビットパーフェクトとは何をさすのだろうか?)

Webで調べたが、PCオーディオで言われているビットパーフェクトと言うのは、ASIOなどを使いWindowsのオーディオ処理ソフト(mixerやiTunes, MediaPlayerなど)を使わない場合を言っているそうで、それは本当の意味でのビットパーフェクトとは関係ない。ソフトウェアで故意にデータを変化させてはいないと言う意味で、実際の音の良し悪しとは関係ない。(故意に音が悪くなるようなソフトウェアでのデータ操作はしていませんと言う意味)

今回の実験でわかったことは、D/AコンバーターChipに音のデータとクロックがたどり着く前にビット落ち・抜け・タイミングのズレ(ジッター)が多々発生していると言うことだと思う。

世の中のマーケッティング的なキャッチーな言葉(いろんな意味があり、皆が勝手に解釈している)に惑わされないようにしましょうね。


  1. 2012/12/02(日) 13:42:48|
  2. SDトランスポート
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:16
<<SPDIF のデータが正しくても音が悪くなる理由 | ホーム | PCオーディオの音質向上ソフト: Fidelizer>>

コメント

なるほど。
各種機種のSPDIF出力のジッターをデジタルオシロのAccumlateモードで簡易観測したことがあります。
Macbook光: 16ns 22.6ppm
DCD-1500AE光: 8ns 11.3ppm
DCD-1500AE同軸: 1.5ns 2.1ppm
目視でエッジの幅を計ったのであくまでも目安ですが。
  1. 2012/12/05(水) 00:53:58 |
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  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

音が悪くなる理由がわかった様な気がします。シリアルデータの1ビットの長さが変動しているのでしょう。クロックでデータをサンプリングする分にはエラーにはなりませんが、音を出すタイミングとしてはボロボロになります。プロセッサの処理が間に合わなくて1ビットの長さが変わる時が有るんだと思います。時間的精度も考えて"ビットパーフェクト"を考えないとね。
  1. 2012/12/04(火) 11:57:37 |
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  3. Cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

ジッターがどういう原理でクロックに乗り、どういう種類が在るのかを解析する必要がありますね。

PCによるプロセッサ処理だからオーディオ信号のクロックにジッターが乗ると言うのは筋が通らないなー。。。

サンプリングによるバイナリー比較ではなく、波形比較をしないといけないのかな?サンプリングだけでは判らない違いが何かあるはずですよね。候補としては、クロックのナマリ、デューティーの違い、0レベルの不安定さ、スペクトルの広がり、周波数の不安定さ、などかな?D/Aチップが勘違いを起こす理由があるはずですよね。


  1. 2012/12/04(火) 09:38:46 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

補足です。
SCD-XE600->SPDIF->EMU0404->USB->PC
でキャプチャしたときのソース(板)は、CD, SHM-CD両方試しました。両者ともにバイナリ一致しました。
  1. 2012/12/04(火) 01:25:55 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

ちょっと違うかもしれませんが、私も似たようなことを思っています。
故意にクロックジッターを挿入したらどうなるんだろうか?という実験をしたことがあります。MAXIMのDS1080CLという、クロックをスペクトル拡散するチップをI2SのMCLKに挿入してみました。結果は有意な差が(聴感上)認められませんでした。ジッターの「形」も重要なのかもしれない、と感じました。
  1. 2012/12/04(火) 01:00:21 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

デジタル部の音の劣化の要素はほかにも、低音のレベルが下がったように聞こえると言うのも在るし、音の奥行き感(ホールトーン)が減ったように聞こえると言うのもありますね。まあ、元の原因が幾つなのかはわかりませんが。。。これらがすべてジッターの種類の差によるものなのだろうか??

以前に私は、”大きなジッター"、”小さなジッター”が在ると言うことを言いましたが、音を聞いた感じはそんなイメージですね。。。
  1. 2012/12/04(火) 00:47:16 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

CDのマスタリングによる音の差は、CDプレーヤーで聞くなら光学的な差があるはずだからアナログ的な違いがあるので、それがジッターとなって音に現れても不思議はないと思います。

I2SとSPDIFの音の差は、SPDIFのクロックはデータの変化からの混変調を受けると思うので、ジッターが乗りやすいためと思っています。

  1. 2012/12/04(火) 00:37:07 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

私は自分の耳しか信用しないので、理屈はすべて後付けですが、PCオーディオのデジタル部分で音が悪くなる要素は大きく2つある様に聞こえます。一つは音の表面がざらざらするような感じで、これはDAC9018S基板のPLLのバンド幅がLowの場合とHighの場合の音の差です。聞き様によっては分解能があがったようにも受け取れます。私はこれがクロックのスペクトル分布の劣化による音の差だと思っています。次が音が全体にもやっとして分解能が落ちるイメージ。私はこれはどこかでデータが欠落しているのではないかと思っています。もし、PCオーディオの機器によらずバイナリーは一致していると言うのが本当なら、クロックのジッターには幾つかの種類があるということになるはずです。たとえば単純なノイジーなスペクトルになる場合とクロックのデューティーが明らかに変わるとかいったことでしょうか?考えてみると、デジタル機器のエージングの初期の音は明らかに前に述べた二つの要素が入り混じっているので、ジッターに2種類あるというのはありえるかもしれませんね。
  1. 2012/12/04(火) 00:18:47 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

一点訂正です。
SPDIF上のデータを検証するときに、
PC->SPDIF->EMU0404->SPDIF->PC
でキャプチャしたと書きましたが、(見方によっては)もっと厳しい条件でした。
SCD-XE600->SPDIF->EMU0404->USB->PC
でキャプチャした結果と、PC上のCDドライブからリッピングしたデータの比較でバイナリ一致した、というのが正しい実験結果です。
  1. 2012/12/03(月) 22:28:00 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

この実験結果から、(I2Sバスは観測していませんが)私はバイナリデータはDACまで正しく到達している可能性が高く、トランスポートによる聴感上の差異はクロックジッターに起因するのだろう、と想像しています。
  1. 2012/12/03(月) 20:31:03 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

では、SPDIF上ではどうなのだろう?
と疑問が出ました。
PC -> SPDIF -> EMU0404 -> SPDIF -> PC でデジタルデータをキャプチャしてみると、元のリッピングデータとバイナリ一致しました。(前後の無音部分は省いて比較)
という経緯で、Windows PC を使った状態でも、SPDIF上は元リッピングデータと同じデータが出力されているのは間違いなさそうです。
このあたりは他の方もネット上で、多くの方が検証されていると思います。(が、やはり、自分でやってみることが重要と考え、実行しました)
  1. 2012/12/03(月) 20:19:48 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
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はい、音楽データです。
もともとのきっかけはこのCDでした。
「これがSHM-CDだ!クラシックで聴き比べる体験サンプラー」
同じ曲が通常CDとSHM-CDの二枚で収録されています。これをcdプレイヤーをトランスポートとして、大学時代の仲間と聴き比べたことがあります。聴感上、明らかな違いがあったので、後日自宅に帰ってから両者(CD, SHM-CD)をそれぞれリッピングしたところ、バイナリ一致しました。なるほど、板の上に記録されているのは同じデータなのだな、とわかりました。
  1. 2012/12/03(月) 20:15:10 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

それにしても、そんな測定をした人がいたとは驚きですね。v-12
  1. 2012/12/03(月) 00:10:55 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

SPDIF自体の特性も興味あるけど、どうやってSPDIFにデータを供給するかが問題なんだと思います。OSを使ってデータを供給すると相当抜けてるんじゃないのかな?
  1. 2012/12/02(日) 21:14:38 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

それは音楽データでやったの?
  1. 2012/12/02(日) 20:50:53 |
  2. URL |
  3. cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

I2Sは検証したことがありませんが、SPDIFは昔検証しました。SPDIF受けしたデジタルデータは元のリッピングデータと完全一致しました。(ジッタはまた別の話ですが)
  1. 2012/12/02(日) 19:51:20 |
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  3. kei #N/7Pc.D2
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Author:cocoパパ
 30年前の本当に楽しかったオーディオを取り戻しませんか?自分でいろいろなことをやってみて、どんどん良い音を探していた楽しいオーディオを。最近は色々な技術がメーカーのノウハウになってしまって、ちっともオーディオがたのしくありません。自分で作り上げられる楽しいオーディオを取り戻しましょう。


また、
オーディオは総合技術・芸術だと思っています。スピーカー、アンプ、音源(PCやD/Aコンバータ)、電源、部屋、音楽など全てがうまく整って初めて良い音で鳴るようになります。一朝一夕に実現出来ることではありません。


つまりオーディオほどハードルの高い趣味は無いと思います。車と違い、いくらお金を出しても買ったとたんに良い音がでることはまずありません。いかに使いこなすかは買った人ががんばるしかありません。そんな事に役に立つノウハウを書いていけたらと思っています。
  
ここでは、私が知ったいろいろなノウハウを公開したいと思っています。

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