いままでのクロスオーバー法とは全く異なる ”自然な音の繋がりを追求するノンカットクロスオーバ法"の実際。
実際やってもらえればわかることだが、-24dB/Octとかで切ったスピーカーの音は全く不自然で、不自然な物同士を繋いでも良い音になるはずが無い。だから一般には-6dB/Octが良いといわれているのだが、だったらさらに一歩進んで切らずに繋いだ方が良いと考えるのが普通だろう。
ノンカットクロスオーバー法の基本的な考えは、いままでのクロスオーバー法が、”2種のスピーカーをある周波数より上や下の音は綺麗にカットして繋げる”であるのに対し、”なるべくカットしない。明らかに出さない方が良い音以外は出したまま繋げる"である。切って繋げるのではなく、低域用・高域用のスピーカーの音をなるべく混合することで、音の繋がりを良くしようという考えだ。
下図は、ノンカットクロスオーバー法での設定の例。我が家のスピーカー:VRS800で一番良いと思われる設定値。
クロスオーバーのカットオフは、
低域側は ハイカットが 1.2KHz、-6dB/Oct
高域側は ローカットが 120Hz、 -12dB/Oct
となっている。色々やった結果これが一番良かった。要するに120Hzから1.2KHzまでは低音用と高音用のスピーカーが両方鳴っている事になる。
こうする前に、全くカットオフしないで低域スピーカーと高域スピーカーを鳴らしてみた。(VRS800は、そう簡単には壊れない)思ったより良い音で、音の繋がりの点では悪くは無かった。これがクロスオーバ法を考え直すきっかけだった。悪い点を探すと、低域スピーカーからの数キロヘルツの音が気になったのと、重なり合っている帯域が音圧が高い感じがした。
VRS800の低域スピーカーの有効な再生帯域は40~300Hz程度であり、数百Hzから1キロHz程度の音はほとんど聞こえないのだが、その上の周波数の音が妙に耳に付く。だからカットオフする必要のある周波数は1KHz程度で良いことがわかった。(なるべく切らないという考えに基づいて)
高域スピーカーに関しては、有効な再生帯域は200Hz~であり、聴感上は低域をカットする必要性は全く感じなかった。だが、不要な低域からスピーカーを守るために120Hzのカットオフを入れてある。
要するに、聴感上明らかに不要な帯域以外は基本的にカットしないで繋いでいる。その上で下の図のように重なっている帯域の音圧を下げるようにグラフィックイコライザーをかけてフラットな聴感を得るようにしている。
いままでのクロスオーバ法とは全く考えが異なるので理解しにくいかもしれないが、音の繋がりの良さは最高だ。
皆さん、まずはスピーカーをカットしないで繋いだらどういう音なのか聞くところから始めて見てください。(壊さないようにご注意あれ)きっと目が覚めると思いますよ。
こういう使い方は、デジタル式のスピーカープロセッサでこそ可能な方法だ。これこそ時代の進歩だと思う。
クロスオーバーの設定画面
グラフィックイコライザーの設定画面
- 2012/07/08(日) 23:39:59|
- ノウハウの集大成
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じろうさん、こんばんは。
おー、面白そうな会社ですね。
光のリニアPCMのSPDIFにしてマルチで出してくれるんですね。こういう方法もあるんですね。初めて知りました。SPDIFで受けるのでちょっと物量が要りますね。うまく行くと良いです。結果を楽しみにしています。
- 2012/07/12(木) 00:05:59 |
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- cocoパパ #-
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以前マルチアンプのシステムにするためUSBサウンドデバイスを2つ用いる方法でお世話になった者です。
長時間再生するとプチプチが出るので,どのような設定にすればいいのか,なかなか解決策が見つからないでいました。
そんなとき,マルチチャンネルの光デジタル出力のサウンドカードを見つけました。PureSpeedという会社のDSU6000と言います。日本企業です。
これって凄い!のではないでしょうか?アナログOUTが不要で2万円ちょっとですから,何も考えず購入してしまいました。
しかし私は光入力のDACは持ってないのでした。そのため音出しまで出来ていません。
うまくいきましたら報告します。
- 2012/07/11(水) 22:14:11 |
- URL |
- じろう #zRaRzYT6
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いままでのクロスオーバー法とは全く異なる ”自然な音の繋がりを追求するノンカットクロスオーバ法
- 2012/07/09(月) 17:39:46 |
- まとめwoネタ速neo