先日、SACDの機器を買おうかと思い、大きなオーディオ店に行った。
持参したSACDディスクを、中堅の機器何台かでCDとして聞くかSACDとして聞くか聞き比べさせてもらった。だが正直言ってその差は全く判らなかった。店員さんに差が判りませんと言った所、その方も差がわからないし、SACDが良い音で聞こえるような上級機はCDで聞いても良い音がするとの事。納得の意見だった。
私はハイレゾ音源の価値を認めたいのだが、まだ認められていない。私の知る限りハイレゾ音源が本当に良い音で聞こえる機材は、CDを聞いても素晴らしい音で聞こえる。我が家のメインのD/Aコンバーターは24Bit192KHzに対応しているが、その音を磨けば磨くほどCDの音も良くなっていき、結局ハイレゾ音源とCDの音の差は狭まっていくように感じる。
私は、ハイレゾ音源は低コスト・低音質の機材でそこそこの音質の音を聞きたい人のためにあると考えている。
低コスト・低音質の機材ではD/Dコンバータやローパスフィルターが貧弱だからサンプリングレートが高い方がごまかしが効くんでしょう。それを理解しないで、ハイレゾ音源をありがたがるのはどうかと思う。ハイレゾ音源が素晴らしいという人は、”自家の機材は貧弱です”と告白していることにならないか?
最高の機材で聞くCD音質より、ハイレゾ音質が良いという確証は無いと思っている。
昨年9月の記事より
デジタルオーディオをひととうりいじくりまわして、かなり満足のいく音が出るようになって今思うのは、結局オーディオの音の良し悪しはかなりの部分がアナログ部分に依存していて、デジタルの部分はいかにそれを邪魔しないようにするか、つまりアナログ信号の精度に影響を与えないようにきちんとデジタル信号が渡され、アナログ回路の邪魔をしないようにノイズなどの対策がしてあるかがとても大事であるという事。
さてそう思うと、数十年前のアナログレコードの時代からオーディオ技術の本質は全く進化していないということが判る。ビニールのレコード盤に記録したアナログ信号の方が、下手なデジタルオーディオよりよほど良く聞こえるというのがなんとも不思議だ。
オーディオ業界は、CDだ、SACDだ、ネットワークオーディオだ、なんだかんだと流行り物を追いかけるけど、本質的なオーディオ技術はブラックボックスのままで何も進化していない。
その方がいかに自社の製品が凄いかを能書きだけで語れるオーディオマーケッティングには都合がいいんでしょうけれど、なんだか悲しいなー。
僕はオーディオが好きだからオーディオが楽しめるものであって欲しいけれど、そんなオカルトじみたマーケッティング戦略に乗せられるのはマッピラごめんだね。もっと本質的な進化が出来ないんでしょうかねー。まあ、そんなことやってもメーカーは儲からないからねー。。。こんなことをマジに考える方が馬鹿なんでしょうね。
- 2012/05/31(木) 23:49:19|
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