
今までに得られたノウハウを整理していきたいと思う。色々実験してその度に自身の考えも変わってきているので、いま時点でベストと考えるノウハウを整理したい。
まずはプロ用機器と一般オーディオ機器の違いと利用する場合の注意点について。
プロ用機器も一般オーディオに使えるとする記事が多いが、私が実験した限りかなり注意して利用しないと難しい場合が多いと思う。特に問題となる点は下記。
(1)プロ用機器は冷却用のファンが付いている物が多く(特にパワーアンプ)、家庭ではうるさくて使えない場合が多い。ファンを交換して低騒音化できれば良いが、ACファンだったりすると手の施しようが無い。また、トランスが唸る物も多い。これも手の施しようが無い。プロ用機器は小さな部屋で静かに聞くような条件は考えていないから。この問題が無いプロ用パワーアンプは至極まれである。
(2)プロ用のパワーアンプは一般オーディオアンプと比べてゲインが高い。0.775V = 0dBでフルパワーの物が多い。一般オーディオアンプは 1.3V~1.5V でフルパワーである。しかもS/N比がプロ用は100dB前後に対し、一般オーディオ用は120dB前後。この差は歴然としていて、高能率ホーンスピーカーに繋ぐと、プロ用アンプは入力ボリュームを完全に絞っていても”サー”というノイズが出ている。これはいかんともしがたい。ドームスピーカーなど95dB以下の低能率スピーカーなら問題はないが、ホーン型には使えない。プロ用機器は大きな音を出すことが第一条件なので、ゲインに関して余裕を持たせ、パワーアンプの入力を絞って使うという前提なのでしょう。
(3)プロ用のミキサーやエフェクターなどの出力レベルは+4dBである。一方一般オーディオ機器は-10dBである。プロ用機器のほうが約5倍出力レベルが高い。従ってプロ用機器の出力を一般オーディオの入力に繋ぐ場合レベルを5分の1に落とさないと使えない。そうしないとノイズレベルが高くて使い物にならない。よくプロ用機器を使うとS/Nが悪いという話を聞く(例えばデジタルスピーカープロセッサなど)が、このレベル差の問題である。10KΩ対600Ωのライントランス(ないしは4分の1に分圧する抵抗)で4分の1に落とし前段のノイズレベルを下げてやるのが必須。これをやらずにS/Nが悪いと言うのはプロ用機器に失礼である。
(4)プロ用パワーアンプは音が激しい物が多い。繊細な音は期待できないものが多い。これは好みの問題だが総じて差があるのは事実である。だが、安物の一般オーディオアンプよりはコストパフォーマンスははるかに良いと思う。CROWN(D-45)、Peavey(CS800)、QSC(EX4000)、など繊細さも有る良いアンプ会社があるのも事実だ。
以上の理由でプロ用機器は一般オーディオ用には使いにくい場合が多い。私は数十機種のプロ用パワーアンプを使ってみたが、結局いまは一般オーディオアンプを使っている。
くれぐれも怪しい情報に惑わされないように良くご検討ください。
- 2012/05/20(日) 22:09:23|
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- 2012/05/20(日) 23:23:04 |
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