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Pure Digital Audio

デジタルオーディオ、ホーンスピーカー、真空管アンプによるピュアオーディオシステム

クロスオーバーについての考察

クロスオーバー1

クロスオーバーについてあれこれ実験したり考えたりしてきて、どうも納得のいく考え方が見出せなかったんだけれど、やっと頭の中が整理が付いたように思う。

上図が、一般的に言われているクロスオーバーの仕方である。(ここで重要なのはこれはチャンネルデバイダーの特性であると言うことだ。)

イベントでのPAなどでは左のように急峻にカットオフするクロスオーバーが使われているが、その理由はPAではとにかく大きな音を安定的に出すことが第一目標である。したがって中域のスピーカーには低域の音を極力入らないようにしないと大きな音が出せない。したがってできる限り急峻にカットオフして大音量に対応できるようにする必要が有る。それは理にかなっている。

一方、家庭用では大音量は必要なく、音質優先なので、ウーハーとスコーカーの音のつながりを良くすることが重要である。その理由は、ウーハーとスコーカーはまったく別のスピーカーであるから少なからず音質は違っている。それを急峻にカットして繋ぐとその周波数で音の質がガラッと変わってしまうからで、それを防ぐためにはクロスオーバ周波数の前後では双方のスピーカーの音をうまく混ぜることで急峻な音の変化を防ぐ必要があるから。

そのため家庭用では、-6db/Oct のクロスオーバの方がつながりが良いと言われる。

ここまでは、良く聞く話で当たり前かもしれない。問題はこのあとだ。一般的なチャンネルデバイダーなどはある周波数を超えると -Xdb/oct で一定に 音量が減少していく。だが本当にこれでよいのだろうか?

理想的には、上図のクロスオーバーの図は、スピーカーから出る音量が -6dB/Oct であるべきなのであって、クロスオーバー素子の特性がどうなっているかは課題ではないはずだ。

私はクロスオーバーについてずっと誤解していた。私達がクロスオーバーを正しくセッティングするにはスピーカーから出る音量が -6dB/Oct になる様に調整すべきなのだ。そうでなければウーハーの音とスコーカーの音がうまく混ざる(繋がる)はずが無い。判ってしまえば当たり前だ。

我が家のスピーカーで考えると、恐らくスコーカーは200Hz近辺でメカニカルにカットオフしているのでそのままで-6dB/Oct のようなカーブになっているのだと思うが、ウーハーはフォールデッドホーン型なのでもっと急峻にカットオフしていて、しかもなだらかではなく凹凸があると思う。だからうまく繋がらない。それを考えに入れてクロスオーバー回路を組み立てないといけない。

そう考えると、イコライザーを使って減衰量を調節しながらクロスオーバーを作るのは理にかなっていると思う。というか、一定減衰量でのクロスオーバーは意味が無いことに気が付く。

カットオフする周波数と -XdB/Oct の設定しか出来ないチャンネルデバイダーは目的が間違っている。高音質チャンネルデバイダーの本当の目的はスピーカーの音を滑らかに繋ぐことだ。そのために何をすべきか考える必要がある。

次回はもう少し深くクロスオーバ付近でのイコライジングの仕方と具体的システム設定の仕方を考えてみよう。


  1. 2012/04/09(月) 22:47:53|
  2. クロスオーバー
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<クロスオーバーについての考察 その2 | ホーム | とりあえずアナログイコライザーを手配した。>>

コメント

そうですねー。結局、スピーカー専門家のノウハウを自力でやらなくてはいけないから、難しいのかな。超アナログですよね。てこずってます。アナログイコライザーは、人気が無いせいか安いですね。お得感があります。(^-^)/
  1. 2012/04/10(火) 08:59:15 |
  2. URL |
  3. Cocoパパ #-
  4. [ 編集 ]

うーん、マルチSPシステムはやはり悩みが深いのですね。私はしばらくは近寄れそうにないですぅ。
  1. 2012/04/10(火) 01:31:46 |
  2. URL |
  3. kei #N/7Pc.D2
  4. [ 編集 ]

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Author:cocoパパ
 30年前の本当に楽しかったオーディオを取り戻しませんか?自分でいろいろなことをやってみて、どんどん良い音を探していた楽しいオーディオを。最近は色々な技術がメーカーのノウハウになってしまって、ちっともオーディオがたのしくありません。自分で作り上げられる楽しいオーディオを取り戻しましょう。


また、
オーディオは総合技術・芸術だと思っています。スピーカー、アンプ、音源(PCやD/Aコンバータ)、電源、部屋、音楽など全てがうまく整って初めて良い音で鳴るようになります。一朝一夕に実現出来ることではありません。


つまりオーディオほどハードルの高い趣味は無いと思います。車と違い、いくらお金を出しても買ったとたんに良い音がでることはまずありません。いかに使いこなすかは買った人ががんばるしかありません。そんな事に役に立つノウハウを書いていけたらと思っています。
  
ここでは、私が知ったいろいろなノウハウを公開したいと思っています。

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