
高名な ”なき王女のためのパヴァーヌ/L.A.4”をCDで購入した。1974年当時、アナログレコードが全盛の時代で、ダイレクトカッティングという究極のHiFiレコードがもてはやされていて、要するにマイクやミキサーを通った音をテープレコーダーを通さずにレコード盤に仕上げるという究極のダイレクトレコーディング技術であった。私も何枚かそのレコード盤を持っていて(DAMの弘田三枝子の盤など)、凄い音だなと思ったもんだ。このLA4のアルバムもそれで記録された物だが当然テープレコーダーにも残っていたわけで、それをCD化したものだ。
ものすごく期待して今回購入したのだが、早速聞いてみたががっかりした。うるさいだけだ。ちっとも良い音ではない。
おそらくアナログレコード盤は凄く良いに違いない。だがこのCDはだめだ。
だが今回のCDが音が悪い理由はもう一つ考えられる。今回のマスタリングにはDSDを使っているのだ。DSDはSACDにも使われている技術だが、簡単に言えばパルス密度変調をして1ビット化するデジタル技術だ。
DSDについて ⊿Σ変調について私はこの技術を信用していない。そもそも密度変調をかけるということはそこに何かしらアナログ的な変換が入るはずで、理論的に正しくてもそれを実践する技術が伴っていない場合が多くあるからだ。いくら理屈が正しくても聞いて音が悪ければ最悪だ。例えば、デジタルアンプより重たいアナログアンプが音が良いし、CDはアナログより音が良いはずだったのにちっとも良くない場合が多いし、デルタシグマ変換の多くのD/Aコンバーターが世の中にあるが、音が良いと思えるのはバーブラウンのPCM179Xシリーズだけだ。(他にも良い物も有るかもしれないが、多くの物がだめだという意味です) 実際、DSDの音は私には窮屈でうるさい音に感じられる場合が多い。
エンジニアの多くが理屈が良いから良いに決まっていると訴えるが、決してそんなことは無い。技術が伴わない理屈も世の中には多くある。(原発事故だってそうでしょう。。。)正しいオーディオマニアは技術のマーケッティング作戦にだまされないようにしましょう。
ぜひこの ”なき王女のためのパヴァーヌ/L.A.4” もアナログ原版を聞いてみたいものだ。
DSDマスタリングでないCDもあるのかもしれませんので、このアルバムの全てが良くないのかどうか判りませんので、悪しからず。
- 2011/12/10(土) 23:01:16|
- システム解説
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