
オーディオほどお金が無駄にかかる趣味はないと思う。車なら1000万円出せば世界的に見て優秀な車が買える。カメラなら100万円も出せば凄い機材が買える。パソコンだって100万円出せば凄い機材が買える。でもオーディオは数百万円出しても自分の家で良い音が出るとは限らない。こんな変な趣味はない。数十万円出したらそれなりの音で鳴って欲しい。購入したら家にサービスマンが来て良い音で鳴るようにセッティングしてくれるサービスも有ってほしい。何故そういうサービスが無いのか?要するに良い音で鳴らす自信がないのだ。こんなことでよいのだろうか?何故そうなっているかというと客観的に音の良し悪しを図る術がないからだ。だが本当にそうなのか?きちんと計ろうとしていないだけではないのか?
オーディオの音を悪くする原因は大きく分けると4つかなと思うが、その一つ目にこれを挙げたい。
普通にS/N比というとオーディオの出力信号の大きさに対して、無信号時のノイズの大きさを計って、それぞれを入力信号レベルに換算し、その比率をdBで表したもの。パワーアンプなどでは100dBを超える物がほとんどで、これが良いから音が良いという尺度には全くならない。100dBというのはオーディオ信号に対してノイズの大きさが10万分の1ということだ。
実際問題、こんな方法で計った100dBなんて数字に意味があるんだろうか? アンプの内部の基板上のグランド信号は上図のようにオーディオ信号にあわせて振られていて、アンプの設計をしている方ならその大きさが10mVくらいはあることが簡単に想像できる。
100Wのアンプで考えると電圧出力は30Vくらいだから30Vに対して10mVグランドが触れていたら、信号に対するノイズの比率は3000分の1。
これって、わずか70dBくらい。これこそ本当のS/N比ではないか?(動的S/N比と呼ぶべきでしょう)
こういう”動的なS/N比”ではなく、無信号時のノイズの大きさを測って計算する”静的なS/N比”に意味があるんだろうか?
なんで動的S/N比を計らないのだろう? ”信号があるときのグランドの振れなんて計りにくい” というのが言い訳かもしれないけど、こういうことをほったらかしておくからオーディオが何十年経ってもきちんと進化しないんじゃないの??
- 2011/09/18(日) 18:19:53|
- 音の比較/技術解説
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