以前、どなたかから、”どんなPCがPCオーディオに向いているのか?”と聞かれ困ってしまったことがある。
どんなっていわれてもそう簡単にこれが良いですなんていえるはずがない。そもそもPCから出るノイズにも色々在る。一言では言い表せない。
PCから出るノイズは、内部のCPUやメモリー、高速バス、スイッチング電源が高周波で動作することにより発生する。そのノイズを分類すると、
(1)内部の基板の信号(特にグランド)が振られることにより、信号を通じて電磁波として輻射されるノイズ
(2)内部の基板の信号(特にグランド)が振られることにより、外に出る信号(GND)がノイジーになる
(3)内部の基板のノイズやスイッチング電源のノイズが、電源のACラインに乗り、電源が容量成分で
グランドと繋がれていることで、結果的にグランドラインが振られる
PCのノイズといってもこれらのノイズの集合体だから、そう簡単にどのPCが良いなんて簡単にはいえない。
前の記事で書いた対策(ACラインの絶縁)は、(3)に対する対策だ。
その対策には、こんな手もある。
NIPRONの絶縁電源ちょっと特殊なので、あまりお勧めしませんが。。。単純に絶縁トランスを入れたほうが良いかもね。。。
(2)については、PCの内部設計の良し悪しによってしまう。PCの設計をしたことがある方ならお分かりと思うが、回路設計や基板設計の良し悪しで基板の信号へのノイズの乗り方は大きく違う。信号パターンの引き回しやノイズを抑えるように信号にダンピング抵抗を入れるなどにも影響を受ける。基板のグランドパターンの銅箔の厚さにも影響を受ける。だから正直、どのPCが良いなんて質問はナンセンスだ。使ってみるしか知るすべがない。。。定性的には比較的遅いCPUを使ったノートPCの方が良いのかとも思われるが、本当だろうか?
(1)については、まともなPCならEMIの対策が入っているから通常はあまり影響がないのではないかなー?もちろん他のオーディオ機器とある程度はなして配置する必要は在ると思うが。 また、不思議なもので、良く設計されたPCは(2)も(1)も特性が良いことが多い。基本設計が良くないと(1)で苦労するんだよねー。。。苦笑いする方がたくさんいると思うなー。。。

さて、
PCオーディオに関して言うと、通常は(3)の対策と(2)の対策が重要なのだけれど、(3)の対策は、AC電源をトランスで絶縁するか、ノートPCで電池駆動にすれば解決できる。しかし、(2)の対策はPC内部の設計しだいだから実際使ってみて比較するしか手がない。 さて(2)をどうやって判断するかが難しいね。こういう事を書いてある記事は見たことないねー。。。
PCオーディオにはノートPCが良いといわれているようだけれど、果たしてどういう観点でそう結論しているのか私にはさっぱりわからない。。。(3)の対策をせずにデスクトップとノートを比較するのはルール違反だと思う。(3)の対策をすれば我が家のデスクトップは十分音が良いように感じる。
ノイズ対策の話で、これら3つのノイズを分類して考えていない記事を見たらインチキだと思ったほうが良いですよ。
- 2011/09/09(金) 00:02:06|
- 電源回路/アイソレーション
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0