
さて本題ですが、私はPCオーディオで音が悪くなる理由は上記の4つの原因によると考えています。
(ただし、電源回路、アナログ回路やD/Aコンバータチップの差は別にしてです。)
だんだんに説明していきたいと思いますが、ちょうど読者の方のコメントに(A)に関する話題が在ったので、まずは(A)の説明からしたいと思います。
パソコンのOSには大まかに言うと2種類あります。リアルタイムOSとそうでないOSです。そうでないOSの代表がWindowsです。一方リアルタイムOSとして有名なのは、TRONやiRMXなどが在ります。リアルタイムOSと言うのは、どうしてもある時間内に一定の作業を繰り返ししなくてはいけない場合に用いられるOSで、例えばプラントの制御システムなどで使われています。
Windowsにはこの機能はありません。ですので、本来音楽再生など一定の時間内に繰り返しデータを送らなくてはいけない仕事には向かないOSです。皆さん経験があると思いますが、Windowsで音楽を再生しながら何か別の作業をした場合に、音楽がブツッと途切れることがありますよね。これはそれが原因です。プラントの制御装置で例えば何かの計測をしている時に、そんなことがあって”計測できませんでした”とうことでは大変困ってしまいます。そういうことが起きないようにしたOSがリアルタイムOSです。リアルタイムOSは”待った無し"の計測制御などに使われています。
しかし、実際問題バックグラウンドでよほど重たい仕事をさせない限り、Windowsでも音楽再生は出来ています。ですのでそれでも良いのです。無理にリアルタイムOSを使う必要はありません。リアルタイム性の保証はありませんが、たいていの場合は間に合うのです。それで十分です。
誤解の無いように付け加えますが、PC間やPCとサーバーの間でのデータ転送はいくら待たせても問題は起きません。皆さんもPCを扱っていてものすごく作業のレスポンスが悪くて、それこそ1分くらい反応がない時でも、たいていは待っていれば作業を継続できますよね。PC同士は”待った在り"の世界で動いているからです。しかし、オーディオやビデオは”待った無し”の世界なのです。もし”待った"がかかるとそこで音や画像がブツッと途切れてしまいます。
ここで大事なのは、”待った在り"を前提としているPCの世界と、”待った無し"を前提としているオーディオやビデオの世界を繋ごうとしているから、いろいろな問題が起きているのだということです。そもそも本質的にそういう問題があるのに、そのことを考えていないシステムがまかり通っていることが問題なのです。エンジニアリングの敗北でしょう。。。また、そういうことを理解せず問題を”オカルト扱いする人たち”も問題だと思います。
下記のサイトに貴殿のWindowsPCでそういう"マクロなデータ転送能力不足"を計るツールがありました。
DPC Latency Checker をダウンロードするページこれを使えば、貴殿のPCに(A)の問題があるかどうかわかります。
我が家のPCを3台計ってみましたが、問題はありませんでした。
私が思いますに、これで引っかかるPCはかなり性能の悪いPCか、変なハードウェアとドライバーがインストールされている場合だと思います。ノートPCなどではもしかしたら引っかかるのかな?また、WindowsXPのほうが、Winodws7よりこの点では優れているそうです。私は7のPCは持っていないのでわかりませんが。。。
私の見解は、”最近のそこそこの性能のPCでは音が変わることは少ない。音が変わる場合はD/Dコンバーターの性能が不足である場合で、本質的にはPCの差による音の差ではない”です。
皆さんぜひ計ってみてください。結果を教えていただけると幸いです。
(B)、(C)、(D)の問題を解消できるかどうかは、D/Dコンバーターとドライバーソフトの性能しだいです。
段々に考えて行きましょう。
- 2011/03/31(木) 21:54:32|
- 音の比較/技術解説
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0