2A3 P.P.アンプの音がどうも気に入らなかったので、あれこれ調べたら原因が分かった。
一つは以前実験した時にホーン用のアッテネーターをなぜか-15dBに設定して、それがそのままになっていた。要はアンプがサチっていたのだ。お恥ずかしい。-9dBに設定し直した。
もう一つは初段用の別電源はしばらく使っていなかったので、電解コンデンサーのエージングが足りていなかった。2日くらいエージングしたらかなり変わって、少し引っ込んだ感じだった音が前に出てくるようになった。
これで、2A3 P.P.アンプは素晴らしい音に変身。初段用の別電源を加えたことで、以前はDレンジが狭い感じであったのがノビノビしてくれたし、前後左右の音の広がりもスピーカーを越えて音が出るようになった。やはり初段の電源は命だな。
2A3 P.P.アンプが凄く良くなったのを機に、今まで手を付けていなかった低音用アンプの聞き比べを行った。
ウーハーの改善をしてからずっと、KRELLのFPB-350Mを使っていて、特に不満も無かったので、そのまま聞き比べはしていなかった。
今回較べたのは、KRELLのFPB-350Mと、LUXMANのA3000とYAMAHAのMX-1
FPB-350Mはいままで聞いたトランジスタアンプの中では最高で、低域の安定感、中域の綺麗さが素晴らしいと思う。LUXMANのA3000は以前は中高音用に使っていたのだが、2A3 P.P.アンプが良くなってから出番を失っていた。30dBと言う高帰還やカソードNFBなどトランスも自社生産していたLUXMANでなければ出来ない回路だ。YAMAHAのMX-1はヘッドホン用アンプで愛用している。全域でバランスよく、とてもクリアな音。
まずFPB-350Mで聞き慣れた曲を数曲聞いてから、MX-1に変えてみた。正直かなりがっかりした。低域ももたついた感じだし、ホーンとの繋がりも良くない。しばらくエージングして多少良くなったがあまり変わらず。残念だが、全然だめだった。もう少し頑張れるかと思ったのだが、残念。
次にA3000に切り替えた。切り替えてびっくり。ホーンとの繋がりが素晴らしいし、楽器の音がより立体的になり、音場が何倍も広がった感じ。少し賑やかすぎるかな?と最初思って、再度FPB-350Mに戻して耳を慣らしてからもう一度聞いてみた。
どちらも素晴らしく捨てがたい感じで、低音の駆動力、ホーンとの繋がりもとても良い。だが違うのはFPB-350Mは音が少し大人しく引っ込んだ感じに聞こえる。音場の広さや艶やかさがA3000の方が上だ。聞くまではA3000は低音の駆動力で負けるのでないかと思っていたのだが、まったく負けていなかった。かなり意外だった。A3000の時はクロスオーバーは-6dBの方が良かった。
ホーン駆動時に音の濁りが気になる中高音用のアンプは無帰還・多電源の2A3 P.P.アンプで、駆動力が大事な低音用は高帰還で安定感のあるA3000。なかなか良い取り合わせになったと思う。
結局全部真空管アンプになった。やっぱり出力トランスの有る真空管アンプが、スピーカーと言う複雑怪奇な負荷を駆動するには良いのではないのかなー。




- 2021/05/29(土) 22:13:57|
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