いままで中途半端にしていた、2A3 P.P. アンプの再改造を開始した。
DACユニットの音が良くなってから、オーディオが楽しいので、色々な事に手を出している。
『初段:3極管の2パラ+中間(反転)トランス+固定バイアス3極管プッシュプル出力回路+NFB無帰還』
という最小構成のPPアンプ。最もシンプルな回路構成と優秀な部品でパワーアンプを製作したらどんな音になるのか知りたくて製作。わずか2段でアンプを構成。信号経路にコンデンサーが入っていない。
回路構成を極限までシンプルにしたので、ゲインは一般のアンプより10dBくらい低い。感覚的には、今までプリアンプのボリュームが1/3くらいで聞けていたのが、2/3くらいまで上げないと同じ音量にならない。一般的には問題ないかとは思うが。
写真の様にUTC製の希少な出力トランス: LS-55が使われている。
固定バイアスのトランス反転型の回路方式。真空管は、76(United Electron) - 2A3(RCA製軍用JAN球 CRC 2A3)。LS-55は2次側を1.2Ωから500Ωまで変更できる優れもの。電源回路にも工夫し、シリコンカーバイドショットキーダイオード(ROHM : SCS105KG)や大容量コンデンサー(220μF x 4)を適切な場所に実装。
LUXKITのA3000が今まで聞いたアンプの中で最高だと思っているが、音の繊細さでは高帰還率のA3000にかなわないが、フォーカスの良さ、伸び伸び鳴る感じや自然な音場再生&空気感ではこちらの方が良い。無帰還なので位相の狂いが無いせいだろうが、ドラムのアタック音がにじまないので、強烈であってもうるさく無く聞ける。無帰還アンプの特徴が良く出ている。改善のお陰でハムノイズも入力オープンでも特に感じない。
前オーナーさんからオークションで入手後、真空管アンプのメンテをしている方に希望の回路方式をお伝えして改造していただき、その後、自身でさらに改善。
今回の改善内容は、
(1)ハム音がまだ有ったので、引き回しを変更。ヒーター用の配線などAC線とその他の信号線を分離。
どうしてもAC線と信号線の交差が必要なところはなるべく直角にするか、空間的に離した。
(2)”電力を消費するところ: トランスの近く” に電解コンデンサ(220μF)とフィルムコンをパラで4組配置
(3)バイアス回路の平滑コンデンサーにもフィルムコンデンサーをパラで配置
これらにより、ハム音はほぼなくなり、低音の力強さやしっとり感、音場再現性が抜群に良くなった。
無帰還のアンプとは思えない滑らかで深い音場再現が出来ている。
ただ、今の段階では高域の荒さが気になる。低音の締まり具合も負けてはいるが、量感も十分あり気にするほどではない。高域の荒さ、その点でのみA3000にまったく敵わない。もしかしたら長期間エージングで改善するかも。うーん、もう一工夫だな。ガンバロー!





- 2021/02/12(金) 22:18:44|
- 真空管アンプ
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2
森さん、ありがとうございます。僕も気になって、昨日秋葉で部品買ってあります。やっぱりそうですか。今度付けてみます。ありがとうございます。:-)
- 2021/02/15(月) 16:04:07 |
- URL |
- Cocoぱぱ #mQop/nM.
- [ 編集 ]
ご無沙汰しております。インターステージトランスの2次側の負荷抵抗がオープンとなっているようですが、50K~500KΩとすることで高域特性が変化するようです。ちなみに、低抵抗にするほどピークからフラットに変化するようですが、適正値はトランスにより異なるようです。参考まで。
- 2021/02/13(土) 15:57:36 |
- URL |
- 森 孝光 #-
- [ 編集 ]