プロのレコーディングや機材についての調査の続き。
こんな情報もある。
ワーナーミュージック・マスタリングが採用した「エンジニア オーディション方式」とは?どうも、音楽制作業界ではマスタリングという作業がとても大事な作業であるという事は分かってきた。この資料にもあるように、その工程の中で一旦アナログに戻して作業する事もあるのだね。(デジタルのみで完結する場合も有るらしい)
そのためのAD/DAコンバーターとしてよく出てくるのが、Apogee の Rosetta 200 という機器。15年くらい前の発売のようだが、今でも現役で、長くこの用途では定番のようだ。当然ワードクロックの入力があるし、調べるとこの頃からDAではデジタル電源の質が大事だと言っている人もいるね。
Apogee の Rosetta 200昨今のオーディオインターフェースが多チャンネル化してPCやネットワークに繋がって便利になっているのに比べると、2chの単なるAD/DAコンバーターでPCに繋がるIFも持たないというから驚きだ。よっぽど当時としては出来が良かったのだろう。
僕自身は、多チャンネル化されたオーディオインターフェースをいろいろ聞いてみた(RMEやMOTUなど結構評判の良い物)が、正直そのDAコンバーターを我が家でオーディオに使う気にはなれなかった。RMEなどオーディオ用でも評判良いけど、僕的には全然だめだと思う。まだMOTUのほうが良かったかも。
一方、それら業務用オーディオインターフェースのソフトウェアの技術(ミキサーの機能など)は素晴らしいと思った。非常に惹き付けられた。
で、そこから少し外れて業務用のデジタルミキサー(DMX-R100など、当時250万円くらい)をいじくってみた。機能は素晴らしいと思ったが、それのDAコンバーターを自宅のオーディオには使う気にはなれなかった。プロ用だから良いという事ではないという事が良く分かった。それよりもずっと昔のDMX-E3000の電源を改良したモノの方が音はよほどよかった。(44.1KHzと48KHzしか扱えないけど)それはいまだに我が家のDACとして存在している。
だから僕は今、DAコンバーターの無い MOTUの8D をオーディオインターフェースとして使い、チャンネルデバイダーとして使って、DAコンバーターは気に入った物を別途用意して使っている。
DAのチャンネルを沢山持った機材は、業務用と言えどもよっぽど高価(100万円くらい)なものでなければDAの質に期待はできないと思う。(音の質より機能優先の商品価値なのでしょう。)
気になる物としては、
Antelope Audio / アンテロープ Eclipse384ぐらいか? これは先日オークションに出ていたのだが、買い損ねた。。。
『 Apogee の Rosetta 200 』 2ch しかない業務用 AD/DAコンバーター。ぜひ試しに聞いてみたいものだ。恐らく家庭用オーディオでも使える業務用DAコンバーターでは最高レベルなのではなかろうか。我が家のリファレンスにぜひ欲しい。
この機材はオーディオマニアでも使っている人がいる。
オーディオみじんここの方、真空管アンプに音源は TASCAMのDV-RA1000HD かなり僕の好みに近い。:-)
秋葉原にデモルームがあるんだね。。。

- 2021/01/19(火) 15:00:19|
- システム解説
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| コメント:4
そうですねー。そうであってほしいですが、
日本のオーディオと言う業界で考えるとかなり難しい状態だと思いますね。
私が思うのは、特に日本ではオーディオ業界がもうなりたたないと言う事で、個人の事を言っているのではありません。いままでいかに本質をはぐらかしてマーケッティングしてきたかが、今の状態を作っていると思います。今の状態から抜け出したいなら、業界は本当の反省が必要ですが、それはしないでしょう。だから改善する見込みはないです。
ですが、今までと違うオーディオメーカーが出てくるチャンスでもあると思います。オープンに技術情報をお客さんとシェアしていけるような会社であれば、共感が得られるかもしれないです。スピーカーなどではそうなってきているようです。
- 2021/01/23(土) 18:34:17 |
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- Cocoぱぱ #mQop/nM.
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>破滅に向かってます
そんなことはないです。駆動力についてはまだまだこれからですが、記事に何度も書いています。高域の問題も同様です。なので最近は高域の問題についてはPC側で補正をかける手段に気づいて積極的にそれで対策している方も出てきました。昔のDACのような音が出ない一つの要因であるデジタルフィルターの問題は徐々に認識されてきていますので、もうすぐ意識も変わると思います。
私の記事はとても多くの人に読まれています。この部分は全く手つかずだったので一切進化がなかったですが今少しずつ前進しようとしています。それをわかっている当事者がまっさきに諦めたらそれで終わりです。今どき古いNOSDAC+多段フィルターの設計をやり直すべきとは思いません。多次フィルターはノイズも多くなりがちですし情報量はともかく特性も理想ではなくコストアップ要因です。ですからデジタルの問題を正しく認識し、正しく対応すること、これがこれからのあるべき姿です。
音の違いは一度ユーザーがそれに気づいてしまえば意識が高い人はもう以前の評価軸に戻ることはありません。それが当たり前になれば売る側も変わるはずです。そうすれば積分形DACはもはや必要ありません。これからそういう時代があと数年でやってくると思っています。
- 2021/01/22(金) 23:06:14 |
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- yohine #-
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yohineさん
いろいろ情報ありがとうございます。
読みがいがあります。
こういう情報はなかなか手に入らないし、最近思うのはデジタルになってからまともに音質が分かる人はほとんどいないんだなってこと。業界も音質なんて全く関係なく進んでいる感じだし、オーディオは破滅に向かってますね。
残念でありますが。。。(日本も破滅に向かっているようですが。。。)
- 2021/01/21(木) 16:50:09 |
- URL |
- Cocoぱぱ #mQop/nM.
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またコメントします。この辺の情報はある程度知っています。
Rosetta 200は要するにあの時代のクオリティと音です。当時楽器屋で比較試聴したことあります。RMEのFireFace800と比較してちょっといいくらいで、今聞くと残念かもしれません。Apogeeの全盛期ではないので多分期待ハズレに終わると思います。お好きそうなのはDA2000とかまでの時代の製品だと思います。DA2000はCelloのDACと同じだったはずです。Rosetta 200なら最新のデザインが変わった以降の製品のほうが基本性能は高く割り切っていて良いでしょう。ESSチップなのでお好みではないと思いますが。
Eclipse384はだいぶ前の製品でAntelopeが飛躍的に成長する前の製品です。正直これならLynx Hiloのほうが良いです。HiloはRosetta 200よりは良いと思います。しかしAmariのほうがもっと良いです。音質面だと現行最高はAmariですね。高域の描写や駆動力は積分形DAC比では弱いのでお好きではないと思いますが、そのかわり背景音の奥行きや緻密さ、全体の音作りとしてバランス要するに聞きやすい音色は典型的なプロ機とはだいぶ違う方向性です。
またAntelopeはデジタルトランスポートとしてもかなり性能が高いです。普通のRMEやMOTU等のIFとはデジタル送り出しとしての性能は全く別次元です。上流の影響をほとんど受けないDDCといえばよいでしょうか。USB、同軸、光、どれで接続しても同じような音ですし、もちろんPC側のハードウェア、ソフト、OSの違いにも影響されにくいです。DACも悪くないですがむしろこの部分の方が興味があるのではないでしょうか。
このあたりの話は最新記事でDACの詳細比較記事を作成したのでお暇なときに読んでみてください。SONY PCM-501ESやLavry DA924、Antelope Amariについても書いています。最近は高域の質感さえ気にしなければ中華でも十分です。現実的な価格で良いDACが買えるようになったのでいい時代です。
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=15456
- 2021/01/21(木) 11:50:02 |
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- yohine #-
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