しばらく頭を悩ませていたのだが、私なりの考えがまとまってきたので、記載する。
ネットオーディオで、プレーヤーより前段のデジタル部(LANやNAS)に手を加えることで音が著しく変わることがわかったけど、デジタルデータをNASからプレーヤーの内部メモリーにコピーしているだけであり、しかもプレーヤーは数十秒分のバッファメモリーを持っているから、書き込みの遅延などが問題になるはずもない。
にもかかわらず、NASを変えたり、NASの電源を変えたり、ネットワークにハブを3段入れることで音が改善することも確かめた。その結果から、プレーヤーに書き込まれたデータに何らかの違いが生じているとしか思えない。
デジタル回路を設計したことのある人間としては全く信じられないのだが、下記の様なことを考えるしか説明のしようがない。
(1) プレーヤーにデジタルデータをコピーする時に、音楽再生時に音に影響のあるような違いが生じている
(2) データをコピーするときのデータ転送波形をキレイにする様な処置をすると音は良くなる
感覚的な話としては、デジタルデータ転送時のジッターを軽減するようにしてやれば、音は良くなっていくようだ。
今までの実験結果からこれは間違いなかろう。。。
だが、キレイに(ジッター少なく)データ転送をしたときにいったい何がプレーヤのバッファメモリーのデータに音が良くなるような差を与えるのだろう? 全く理解不能だった。
今は以下のように考えている。
内部メモリーに書かれたデータが、書き込み方によってはアクセス時間に差を生じるなどの可能性はあると思う。だが、回路設計の常識としては最悪のアクセス時間でもきちんと動作するように設計されているはずだ。メモリーのアクセス時間がバラついたとしてもそれがその後の回路の動作に影響を与えるような事は無いはずだ。そうでなければコンピューターなど成り立つはずも無く、銀行の決済があちこちでエラーを生じてしまうことになる。そんなことは絶対に起こらない。
デジタルといっても1と0の間に0.3とか0.7が有るとかって説明をしている方もいるが、全く的外れだと思う。メモリー出力は、最悪のアクセス時間(まともな設計者ならそれで設計します)の後には必ず0又は1と判定できるレベルになっているから。
可能性として有り得るのは、書き込まれ方の違い(転送されて来たデジタルデータにジッターが有るか無いか)によって、メモリーのアクセス時間に違いが生じ、それが
データ読み出し時のデータの変化点のバラつきになるので、回路に大きなノイズを生じさせることで、その後の回路にジッターを与えるということ。かないまるさんがおっしゃるように、データ出力がなだらかになることでノイズが増えるということもあるだろう。とにかくメモリのデータ出力波形が時間的にバラつくと言う事だ。

こう考えると、かないまるさんの話とも大筋合うような気がする。
かないまるさんの解説だとすると、音を悪くしているノイズ源(ジッターの元)はプレーヤー内でパラレルに(16ビットとか32ビットとかで)データを読み出しているメモリー回路とデータバスであり、さらに
諸悪の根源はメモリのアクセス時間に差を生じさせている奴 だということになる。
”LANで送られてきたデジタルデータにジッターが有ると、プレーヤー内でメモリーの書き込みが不安定になり、読み出し時間がばらついてノイズが増える” という部分がまだ仮定では有るけれど、実験的に間違いなかろう。
ネットオーディオは、LANの回路でデジタルデータ源(NAS)とプレーヤーが完全に分離され、しかもシリアル転送になっているので、デジタルデータのジッターを減らすことが出来、その結果プレーヤー内のメモリーのアクセス時間を均等に出来、結果、他の方式(SDカードプレーヤーやPCオーディオ)より優れているのではなかろうか。
もしかしたらPCオーディオも、間にシリアル転送のUSBが有るから、きちんとバッファを持っていたり非同期転送になっていてデジタルデータのジッター以外の音質悪化の要素が無くせるならば、実は音が良くなる可能性が有るのかもしれない。
シリアル伝送であればLANだけが特別良いという理由は無いはずだが、LANの場合は長距離伝送で培ったHUBという高性能データ修正(ジッター減衰)機が安価に手に入るという利点がある。やはりHUBがネットオーディオのキーパーツであることは間違い有るまい。USBは長距離伝送を考慮していない分不利なのかも知れない。
まだ仮定の部分も有るけれど、これで間違いないように思う。
- 2015/05/03(日) 23:21:18|
- ネットオーディオ
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