全段分離3電源(3電源トランス)方式真空管アンプの音が実に素晴らしい。
色々なソースが驚きの音を奏でてくれるが、特に印象深いのが、

グールドがピアノを弾きながら歌っているのは有名だけど、ピアノに合わせて軽く声を出していると言うレベルではなく、ずっと楽しげに歌っているのがはっきり聞き取れる。小音量のときだけでなく、大音量の時も。聞き取れるようになったのは、小さな音量の音が聞こえると言うのもあるが、位置的に他の音と分離できるから。3D感が素晴らしいのだ。
驚きだった。
そこで、その改善の原理をよく考えてみたいと思った。
改善内容は、
(1) 真空管アンプの全段(3段)に供給する電源を全て分離絶縁した
(2) 整流ダイオードをショットキーやファストリカバリータイプなど低ノイズ型に変更した
の2点である。(2) については比較的良く行われている改造だが、最後に変更した出力段のショットキー化では本当に驚いた。他の部分は全て改善されていて最後に残っていた普通のダイオードだったので、その変更で電源全体のノイズレベルがグンと下がり、変化が劇的だったのだろう。
(1) については、同じアンプ内の各段の電源を分離絶縁しただけでこんなに良くなるとは予想もしなかった。
だが、下図のように一般的真空管アンプの電源構成図を書いてみるとノイズの影響は無視できないだろうと想像ができる。特に初段はゲインも大きく、インピーダンスが高く、信号入力も小さいから受ける影響は大きいだろう。
これに比べると、最初の図の全段分離3電源(3電源トランス)方式真空管アンプがノイズの影響を受けにくいのが理解できる。
逆に考えると全段分離しなければノイズの影響は避けられないと言っても良いと思う。 なんで全段分離絶縁が一般的でないのか不思議だ。
特に真空管アンプの場合はアンプ回路自体の性能は良いのだと思うが、電源の影響を受けやすいのではないかと思う。(OPアンプなどの様に、コモンモードリジェクションの機能は無い)
一般的な真空管アンプの電源設計に疑問を感じる今日この頃。
一般的に各機器間の電源を分離した方が音が良い理由は下図と記事を参照ください。
PCとオーディオ機器を繋ぐと音が悪くなる理由
- 2014/05/21(水) 21:24:02|
- 真空管アンプ
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